第八回「営業その3」
今日も今日とてこんにちわ。加藤アカツキです、皆さん乗ってますか?
先日僕は母校“アミューズメントメディア総合学院”の新大阪校にて、体験授業を行ってきました。
このように、在校生相手に行う授業のほかにも、年に何度かは体験説明会にて授業をさせてもらっています。自分も専門学校を決めるときにはあちこちの体験説明会に出かけていったこともあるので、今回は教える側としてできるだけ学校の特徴を知ってもらおうと頑張っています。
東京、大阪と年に何度かは体験授業を行っているので、専門学校に興味をお持ちの方は是非一度いらしてくださいね。
ちなみに大阪校で授業をするときは、せっかくなので関西方面の街に色々と取材に行くことにしています。今年の春には一週間ほど広島県の尾道を取材して、あげく尾道を舞台にした本まで作ってしまいました。
そんなわけで今回旅先に選んだ街は倉敷です!
倉敷といえば白壁の町並みが美しい「美観地区」で有名な観光地ですが、絵描きとして気になるのはやはり「大原美術館」でしょう!
美観地区に立つ大原美術館は、それ自体も昔ながらの蔵を利用した美しい建物です。
しかし何より圧巻なのは国内屈指の所蔵を誇る西洋絵画の所蔵作品群!モネ、ドガ、クールベと言った印象派の巨人たちから、ピカソ、ポロック、藤田嗣治など近代絵画の巨匠たちまで。
中でも圧巻なのはエル・グレコの「受胎告知」!これが日本にあるのは奇跡だとさえ言われています。
正直、日本国内の常設展でこれだけの作品を見られる美術館は他に無いでしょう。
美しい町並みに素晴らしい美術品、土産物も豊富で、倉敷はとても見所の多い町でした。
さてさて、だいぶ前置きが長くなってしまったところでようやく本題に入ります。
前回はちょうど時期的なこともあって「学院祭」について触れましたが、今回は「営業その3」と題し、前々回の続きと参りましょう。
前回までは「持み込み」、「サイト運営」について触れてきましたが、今回のテーマはズバリ“究極の営業”、それはつまり“仕事をする”ことです。
仕事を貰うための営業なんだから本末転倒じゃんか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし以前お伝えしたように、一度や二度仕事をしたところでイラストレーターとして生活できるようになったわけではないのです。しかしながら、一度仕事経験のある方と未経験の方とでは、その後の仕事の入りやすさは天と地ほどに違います。
では何がそんなにも違うのかと言えば、やはり「信用」です。
作家さんによっては仕事とプライベートでクオリティが違ったり、遅筆のために予定の締め切りを守れなかったというお話もよく耳にします。
そのため、新しい方に仕事をお願いするというのはクライアントさんにとっても勇気のいることなのです。
逆を言えば、一度仕事をしてしまえば確実に技量が分かる上に、無事にお仕事を完遂させればクライアントさんからの信頼を得ることができるでしょう。気に入っていただければ、同じ方から何度も仕事の発注を頂くこともあります。
さらに、仕事をするということは多かれ少なかれ自分の作品が不特定多数の方の目に触れるということです。常に絵描きを探している業界の方ならば、良い作品があれば必ず目にとめてくれることでしょう。
一つ、僕の体験談を例にあげてみます。
現在、僕がよくお仕事をさせて頂いている出版社の多くは新宿にあり、そのいずれもがそれぞれ程近い場所に本社を構えています。
僕が初仕事として装丁画を描かせていただいた「心霊探偵八雲」シリーズ は「文芸社」さんの看板作品の一つで、本社前のショーウィンドウの中には常に、僕が描いた大きなポスターと実際の作品が並べられています。そのため、近くに拠点を構える出版社の方々には、毎朝のように作品を見ていただけているのです。
実際に文芸社のほど近くにある「ポプラ社」さんからは、これをきっかけにお仕事を頂くことができました。
まさに“仕事が仕事を連れてくる”のです。
そんなわけで、初仕事はギャランティを貰わずとも、いやむしろ払ってでも受けるべきではないかと常々生徒たちにも話しています(もちろん貰えたほうが良いですけどね)。多少悪条件だったとしても、お仕事をいただけるというのは大きなチャンスに繋がりますから、思い切って引き受けてみてはいかがでしょう。
それでは今回はこの辺で。
次回があったらまたお会いしましょう。
- 加藤アカツキ(かとう あかつき)
- 静岡県浜松市出身、東京都杉並区在住。
明治大学理工学部にて物理学を学ぶ傍ら、アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科に入学。在学1年目よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。以後、書籍カバー、キャラクターデザイン等を中心に活躍中。
⇒残像アパートメント(http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/)