加藤アカツキ:ザンゾウアパートメント201号

第十三回「仕事道具 その3」

今日も今日とてこんにちわ、加藤アカツキです。

皆さん乗ってますか?

四月になっていよいよ新年度ですね。

僕は毎年、母校AMGキャラクターデザイン学科にて、新一年生に対して一発目の授業を担当させて頂いていますが、今年もなかなか面白そうな顔ぶれが揃ったと思います。今年度の入学者が6期生ということなので、一期生の僕が入学してから実に5年。いやはや、時間が経つのは早いものですねぇ~。

さぁ、今月も例によって仕事道具について語っていきましょう。

今月ご紹介するのはこちら、BELKINの「Nostromo SpeedPad N52 」です。

たくさんのボタンに十字キーなんかがついちゃったりして、一見するとゲームのコントローラのようなコチラ!

まさしくゲームのコントローラーです。

コントローラ

なんで絵描きの仕事道具にゲームのコントローラーが?加藤、てめぇいよいよネタ不足でオンラインゲームのプレイ日記なんてはじめやがったか!……などと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いやいや、ちゃんとこれ、仕事で絵を描くときに使ってるんですよ。

ちなみにこれ、本来は主にオンラインゲームをプレイするときに使うもので、それぞれのボタンにキーボードのショートカットや、マクロを登録することができるのです。

“マクロ”というのはあまり馴染みがないかもしれませんが、いくつかのキー入力の操作を記憶するシステムのことです。例えば、あらかじめ操作を登録しておくことで「回復よろしく!」という文字列の入力をボタン一つで行うことができたりもします。巷のゲーム屋さんで「ボタン一つで昇龍拳が出せる」とかいうコントローラーが売られているのを見たことがあるかもしれませんが、アレもおんなじ仕組みですね。

例えばこれをフォトショップ上で応用した場合、「(ctrl+S)→(ctrl+Q)」というマクロを登録しておくと、「ファイルの保存→プログラムの終了」という操作をボタン一つで行うことができます。

フォトショップに限らず、イラストレーター、ペインター、はてはエクセルやワードといったソフトのほとんどのコマンドやツールにはショートカットキーが割り当てられています。これらのショートカットキーをいかに素早く使い分けるかで、作業の効率は格段に変わってきますが、いかんせん通常のキーボードでは操作に限界があります。例えば再びフォトショップを例に挙げてみると、「スポイトツール→ブラシツール→不透明度を10%に変更」という操作を行うときのキー入力は「I→B→1」となります。右手はペンを握っているので、当然これは片手で行わなければいけませんが、どうでしょう?

「I→B」はかろうじて押せても、「B→1」は押しにくいですよね?

その点、この「nostromo speed pad n52」であれば、片手で操作しやすいボタン配置なので、全てのボタンに手が届きやすく、まず押し間違えることはありません。シフト操作を行うことで104ものショートカット、マクロを登録可能で、あとは好きなボタンに好きなショートカットを記録しておくだけです。

ジョグダイヤルや十字キーなどを使うことでより直感的な操作をすることも可能で、例えば僕の場合はジョグダイヤル部分に「画面の縮小、拡大」、十字キーの左右に「redo、undo」、十字キーの上下に「ブラシサイズアップ、ダウン」などの登録をしています。

とまぁ、画面上のツールボックスやタブにいちいちマウスカーソルを合わせてクリックなんてしていたらきりがありませんから、自分がよく使う作業は一度ショートカットを調べて登録しておくと、作業の効率は格段にアップするはずです。

この「nostromo speed pad n52」以外にも、何かしら同じような道具を使っている絵描きさんはたくさんいます。より自分の作業にあった道具、そしてショートカットの配列を探ることが、スピードアップへの近道と言えるでしょう。

それでは今回はこのへんで。

次回があったらまたお会いしましょう。

加藤アカツキ(かとう あかつき)
加藤アカツキ
静岡県浜松市出身、東京都杉並区在住。
明治大学理工学部にて物理学を学ぶ傍ら、アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科に入学。在学1年目よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。以後、書籍カバー、キャラクターデザイン等を中心に活躍中。
残像アパートメント(http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/)
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