加藤アカツキ:ザンゾウアパートメント201号

第十四回 仕事道具 その4

今日も今日とてこんにちわ、加藤アカツキです。

皆さん撮ってますか?

新型インフルエンザが猛威を振るって、関西に続き関東でも感染者が発見されたりと、マスクが無いとおちおち外出もできませんね。あげくそのマスクが売り切れ続出だとか。

本来なら僕も今月の24日に大阪校で体験入学者の方々に授業をする予定だったんですが、インフルエンザのおかげで延期となってしまいました。関西旅行……もとい、出張楽しみにしていたのになぁ……。

え~さて、今回も例によって仕事道具の紹介をしようと思いますが、いよいよ皆さんおまちかね(?)の「カメラ」について語らせて頂きましょう。

われわれ絵描きの業界内でも、自転車以上にカメラを趣味としている方々はたくさんいますが、それもそのはず、芸術家とカメラの関係性については古くは15世紀頃から始まっているのです。

まぁ当然ながら当時使用されていたカメラは、現在のように手軽に持ち運びができるコンパクトカメラなどではなく、カメラ・オブスクラと呼ばれる小さな部屋のようなものです。カメラ・オブスクラについてはここであまり詳しく語るようなことでもないので詳しくはグーグル先生にでもお尋ねくださいね。ちなみにあのレオナルド・ダ・ヴィンチも絵を描くときにこのカメラ・オブスクラを用いたという話が残っています。

とまぁそんな具合に、古来より絵を描く人間にとってはモチーフの資料は欠かせないものです。絵を描いている方々なら少なからず覚えがありますよね。

そんな資料を集めるのに最も適した道具がカメラと言えるでしょう。まぁさすがに目の前に揃えられないものに関しては、本屋やインターネットを回って画像を集めてこなければなりませんが、日常に転がっているものの資料を集めるにはカメラが一番!特に最近では高解像度で大容量のデジカメが安価で手に入りますからね、バッテリの燃費も良いし、失敗を気にしないでどんどん写真を撮りまくることが可能です。

では、これからカメラを買おうと思っている方、あるいは買い換えようと思われている方はどんなカメラを買えばよいのでしょう?

お近くの大型家電量販店やカメラ屋さんには売れ筋の新商品から高価な一眼レフカメラまで様々カメラが売られていることだと思いますが……まぁぶっちゃけデジカメならどれでもいいです。

……いや、マジで、本当にどれでも良いぐらい最近のデジカメは性能が良いんですよぅ。

資料写真っていうのは芸術写真ではありませんから、500万画素ぐらいあれば十分です。現在一般の電気屋の店頭に並んでいるものであればそれぐらいは十分にクリアしているし、レンズも良いし、その上余計な機能もいっぱいついてます。

24mmで撮影

まぁ強いていうなら小型で持ち運びやすいものを選びましょう。高い一眼レフカメラは画像も綺麗で使える幅も広いのですが、何せ図体がでかくて重いですからね。意外に日常的に持ち歩くのが面倒くさかったりもしますから、できれば毎日外出時に持ち歩いても気にならないぐらいのものがいいんじゃないでしょうか。

そういう意味では性能の良いカメラがついた携帯電話などもアリかもしれませんが、あれは電話とバッテリを共有するハメになるので、必要なときに電池がないという可能性も考えておきましょう。絵描きなら電話はできなくてもカメラのバッテリは常に切らしてはいけません。また、携帯のカメラはTPOを選ぶ場所では使いづらかったりもしますので、カメラ好きの身としてはあまりオススメしたくないのですが……。

ちなみに”デジカメ”と言いましたが、フィルムカメラは、あれは資料撮影用としてはあまり使えません。

フィルムは現像~プリントまで時間がかかりますが、その点デジカメであれば撮影したその場で画像が確認できますからね。便利な時代になったなぁ……。

50mmで撮影

あと一応レンズの焦点距離ぐらいは最低限チェックしておきましょう。店頭には焦点距離が変えられない短焦点のカメラも売られていますが、これらは若干クセがあって使いづらいので避けたほうが無難かと思います。できれば35mm判換算で28mm~50mmぐらいの焦点距離をカバーしているカメラなどが、風景写真から物撮りまで使えて便利です。焦点距離の数字は小さいほど広角に、いわゆるワイドな写真が撮れるようになり、大きいほど望遠、いわゆるズームが効くようになります。風景写真を撮りたいときは広角で、ブツ撮りをするときはやや望遠で撮ると使い勝手が良いでしょう。

(掲載した写真は同じ場所から24mmのレンズと50mmのレンズで撮り分けてみたものです。)

ちなみに僕が現在資料撮影用のメイン機として使っているのがPanasonicの「DMC-LX3 」です。ライカなどにもOEM供給されているハイスペックなコンパクトデジタルですが、資料撮影用としてはこれでもかなり奮発した部類と言えるでしょう。ちなみに僕はフィルムカメラも何台か持っていますが、これらはまぁ趣味の領域ですね。

そんなこんなで今回はカメラ選びのポイントについてでした。

次回があったらまたお会いしましょう。

加藤アカツキ(かとう あかつき)
加藤アカツキ
静岡県浜松市出身、東京都杉並区在住。
明治大学理工学部にて物理学を学ぶ傍ら、アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科に入学。在学1年目よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。以後、書籍カバー、キャラクターデザイン等を中心に活躍中。
残像アパートメント(http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/)
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