第十八回「アカツキゼミ」
今日も今日とてこんにちは、加藤アカツキです。皆さん乗ってますか？
実は最近、イラストレーターの村田蓮爾さんにアオジタトカゲを頂いて飼い始めました。最初はトカゲと聞いてちょっと抵抗があったのですが、実際に飼い始めるとこれがなかなか可愛いくて、仕事の合間に戯れては癒されています。アオジタトカゲと言う名前のとおり、青い舌がチロチロと可愛いんですが、見た目はまるでツチノコに手足が生えたような様をしています。犬や猫と違ってペット禁止のアパートでも水槽一つあれば飼えるし、あまり手間もかからないので育てるのも簡単なんですよ。ちなみに名前のほうは好きな俳優にあやかって、”ルーリーちゃん”と名づけました。
さて、暦も１０月になって僕が講師をつとめるアミューズメントメディア総合学院（以後、AMG）も後期授業に突入しました。今回は僕が学校で何を教えているかについて語らせて頂こうと思います。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、現在僕が授業を教えているAMGキャラクターデザイン学科というのは、３年前に僕自身が卒業した母校でもあります。現在は学科創設６年目を迎え、僕はその１期生。当然入学をした当初は学科が創設されたばかりで、授業を教えてくれる先生がたも色々と手探り状態でした。学生たちが希望する方向性も一様ではありませんし、おかげで肝心の授業内容にしても、必ずしも生徒の希望する進路に沿ったものばかりとは言えませんでした。また、学生たちの力量にも大きな差があり、授業のカリキュラムや課題内容の設定をどうするのかというような問題も数多くありました。
そこで、僕がイラストレータとして仕事の現場で学んだ経験を生かし、真に現場で働ける人材を育成するために２年間の授業で足りないことを補完しようという名目で、追加カリキュラムを提案し、現在の授業をスタートさせることになったわけです。
ちなみに現在生徒の数はおおよそ１０人。この授業は通常授業とはちょっと違っていて、希望者のみ選択性の少数人数授業となっており、その分、生徒一人一人にできるだけ密度の高いアドバイスをすることが可能です。授業が始まる前には生徒一人一人の作品を見ながら相談を受け、その生徒の希望する進路の勝利条件を見極めたうえで、授業内容や課題の設定もしています。
他にも変わっているのが受講時期です。専門学校で行われている通常の授業と言うのは大学や他の専門学校などと同じで、４月から９月までを前期、１０月から３月までを後期授業として日程が組まれています。ところが、僕の授業は１０月を始まりとして、翌９月までの１年間を受け持っています。うちの学校は２年生なので、１年生の後期から始まり、２年生の前期終了までを受持つことになりますね。つまりは先日、２００９年９月を持って、現在の生徒への授業を終了したばかりです。
なぜそんな半端なスケジュールを設定しているのか。それはこの授業があくまで学校で学んだ基礎を踏まえての応用授業だからです。基礎的な部分は通常授業で学ぶのですが、入学したての４月からではまだ基礎も学んでいないため、応用授業を始めることはとてもできません。かといって２年生になってからの１年間では、後期に就職活動があるため満足に授業を受けられず、何より学んだことが就職活動に活かせないのでは意味がありません。こういった事情を踏まえ、学校に無茶を言って半端なスケジュールで空き教室を抑えてもらっています。
肝心の授業内容はといえば、デッサンやクロッキーを中心とした立体構造把握から、背景の描き方、色彩理論やPhotoshopを使った実践ＣＧ講座まで、一通りのことを教えています。ほかにも、僕の事務所に招いて実際の仕事現場を体験させてみたり、コミティアなどのイベントに合同で出展してアドバイスをしたりもしています。
一年間という短い時間の中でどれだけ生徒の実力を伸ばしてやれるか、始めた当初は内心不安な面もありましたが、先日無事に一期生を送り出すことができました。しかも現在キャラクターデザイン学科で就職が決まっているのは、全員僕の授業の受講者たちだということなので、実際に僕の授業がどの程度役に立ったかは定かではありませんが、ちょっと鼻が高いです。
さぁ、今月からまた新しい生徒たちとの１年が始まります。今度はどんな生徒たちが入ってくるのか楽しみですね。
そんなわけで次回があったらまたお会いしましょう。
- 加藤アカツキ（かとう あかつき）
- 静岡県浜松市出身、東京都杉並区在住。
明治大学理工学部にて物理学を学ぶ傍ら、アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科に入学。在学１年目よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。以後、書籍カバー、キャラクターデザイン等を中心に活躍中。
⇒残像アパートメント（http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/）
