加藤アカツキ:ザンゾウアパートメント201号

第二十回「ラー油、元旦、共同作業」

今日も今日とてこんにちわ。加藤アカツキです、皆さん乗ってますか?

先日、巷で評判の桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を知人から譲り受け味を試したところ、これがまーハマります! 中身は細かく砕いたフライドガーリックやフライドオニオンにラー油を混ぜたもの……と言った感じですが、名前の通り真っ赤な外観に反して意外に味はマイルドで、そのまま食べてもあまり辛さは感じません。

使い方としては白いご飯やうどん、豆腐、餃子、はてはパスタなどに一味アクセントを加えるための調味料としてお使いいただけますが、この万能調味料っぷりはマヨネーズに匹敵するのではないかと思います。あまりの人気の高さゆえ、あいにくうちの近所のスーパーではお見かけすることはほとんど無いのですが、方々の知人に頼み込んでようやくいくつかゲットすることができました。早く安定供給できるよう、桃屋さんに頑張って頂きたい。

さて、そんなこんなでいよいよ2010年ですね。明けましておめでとうございます。

とは言えなんだか全然年が明けた気がしないのは、正月休みも取らずに延々と働き続けているからでしょうか……。元旦の思い出と言えば、そういえばコミケ翌日に東京ビッグサイトに初詣に行ったことぐらいですかね。いつもは人で沸き返るお台場も、この日ばかりは人っ子一人いませんでした。

とまぁ、前回の記事にも書いたように、年末年始の僕らはけっこうな忙しさです。何故毎年のごとくこの時期はこんなに忙しいのかと言えば、実は3月、4月の年度の変わり目は出版業界も数字の動きが大きいので、できればこのあたりで新刊を出したいという出版社さんの思惑があるんですね。と、なると実際のモノ自体は1月か2月ぐらいにはできてないといけないので、正月シーズンは製作作業の真っ最中というわけです。おまけに今年に関しては昨年中に終わらせるはずの仕事が進行の遅れからズルズルと遅れてしまっていたりで、さらにコミケの準備やらと加えて元旦はまさに修羅場でした……。

そういえば最近はうちの事務所の空いたデスクを、とあるデザイナーさんにたまに貸し出すようになりました。本来は僕のアシスタント用にと思って用意した机ですが、ここ最近は特定のアシスタントさんおりません。それでこのまま余らせておくのも勿体無いと思ったわけですが、事務所に人の出入りがあることには他にも色々と大きなメリットがあります。

まず僕らは自営業ゆえ、アシスタントさんがいなければ基本的に事務所では自分一人。誰にも束縛されることなく自由に仕事ができますが、反面、どうにもデスクに向かう意欲が沸きません。朝起きて部屋を掃除しつつ、だらだらと録画したビデオを見てたらもうお昼! なんてことも珍しくありません。その点、決まった時間に人が入れば、その間だけはきちんと仕事をしようという気になります。

そして何より重要なのが、制作の過程で意見を聞けるということです。この点においては特に、絵描きのアシスタントではなく、他分野のデザイナーさんの意見が聞けるというのはとても貴重です。通常、個人事業主同士のイラストレーターとデザイナーが制作過程で密に情報をやり取りすることはとても難しく、モノが完成した後にちょっとした修正を頼まれるといったことも珍しくありません。その点、製作過程で度々デザイナーさんからの視点で意見を頂ければ、デザインも含めた完成図を見越して軌道修正していくことができます。

また、ちょっとした雑談の中にも勉強になることがたくさんあり、新しいアイデアが生まれることも少なくありません。

他にも、一人作業の孤独感から解放されたり、お互いの仕事を通して人脈を広げることができたりと、作業場をシェアすることは、仕事をする上でプラスになることばかりです。良ければ一度お試しになってみてはいかがでしょうか?

それでは今回はこの辺で。次回があったらまたお会いしましょう。

加藤アカツキ(かとう あかつき)
加藤アカツキ
静岡県浜松市出身、東京都杉並区在住。
明治大学理工学部にて物理学を学ぶ傍ら、アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科に入学。在学1年目よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。以後、書籍カバー、キャラクターデザイン等を中心に活躍中。
残像アパートメント(http://www.k3.dion.ne.jp/~zanzo/)
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