加藤アカツキ「ぼくらの」ショートインタビュー

加藤アカツキ「ぼくらの」ショートインタビュー

フリーのイラストレーターとして活躍し、ぷらちなでも素晴らしい作品を見せてくれている加藤アカツキさん。今回、宗田理さんの人気小説シリーズがポプラ社から新装刊行されるにあたって、そのカバーイラストに抜擢されることになりました。ぷらちなではトップページイラストとして「ぼくらの七日間戦争」のカバーイラストを特別掲載! これまでに1,500万部を売る超人気シリーズの表紙を手がけるという大仕事に挑む、加藤アカツキさんのショートインタビューを掲載します。

――今回、ポプラ社から新装版で発売される「ぼくらシリーズ」のカバーイラストを手がけることになったきっかけを教えてください。

自分のホームページで作品を見ていただいたポプラ社の方から、直接メールで依頼を受けました。

――「ぼくらシリーズ」と言えば、映画化された「ぼくらの七日間戦争」でも知られる宗田理さんの大人気シリーズですが、最初にこのお話を頂いたときの印象はどうでしたか?

「僕らの天使ゲーム」表紙

皆が知っている有名作品なので素直に嬉しかったですが、特にプレッシャーのようなものはありませんでした。ただ、常に人に見られているという緊張感は感じていようと思い ます。

――実際、絵を描くにあたってポプラ社さんから何か要望があったりはしましたか?

いくつかの僕の作品の一つから、このイメージで、ということは言われました。基本的なコンセプトについてはこちらで考えていたので、概ねその通りにやらせて頂きました。

――「ぼくらシリーズ」は80年代にスタートした大人気小説ですが、作品を読んだイメージはいかがでしたか?

今回、読ませていただくまで特に「ぼくらシリーズ」のイメージを持っていた訳ではなかったので、絵を描くことで作品のイメージが変わったりということはありませんでしたが、やはり20年も前の作品なので、現在との時代背景の変化は感じました。

――今回のイラストは、とてもポップな絵柄で描かれていますが、特に意図されたことはありますか?

原作から感じるイメージが、明るく楽しいポップなものなので、それを上手く伝えることができればと思いました。作品のメインターゲットは、中学生くらいの子達なので、焦点はそこに当てましたが、全ての世代の読者に楽しんでいただけるように、いわゆるライトノベル的な絵柄とは異なる、シンプルでポップなデザインを心がけました。

――イラストのイメージを膨らますために何か参考にされたものがあれば教えてください。

「僕らの大冒険」表紙

子供向けの絵本コーナーで、楽しそうなものを探したりしました。

――「ぼくらシリーズ」には多くのキャラクターが登場しますが、文章で表現されたそれぞれのキャラクターを絵にしていく上で、苦労はありましたか?

とにかく最初から登場するキャラクターが多いので、まずはキャラクターの名前と特性を覚えるのに少々苦労しました。出番の少ないキャラクターについてはやや特性が薄いので、ある程度バランスを考えたうえで、自分なりにキャラクター特性を与えました。

――その他、特に苦労している点などはありますか?

シリーズ物なので、全体に統一感を持たせた上で、どうやって各巻の差別化を図るかで頭を悩ましています。

――逆に、ためになったことや、やってよかったと思われる点はありますか?

今までとは違う作風のものをチャレンジさせていただくことで、色々なことを吸収できました。また、それを今後の作風の中に上手く取り入れていければ良いと思います。

ぼくらシリーズ

第一作『ぼくらの七日間戦争』(1985年)から2005年まで累計1,500万部が読まれている、宗田理の人気シリーズ小説。大人たちの作った理不尽な社会のしくみに、団結して立ち向かう中学生達の戦いと、その後の成長を描いている。
この度、児童文学で有名なポプラ社から、「中学生編」ともいえるシリーズ11冊が新装版となって刊行される。
→ポプラ社ウェブサイト

Artist Profile

加藤アカツキ
2006年アミューズメントメディア総合学院キャラクターデザイン学科を卒業。在学中よりフリーランスのイラストレーターとして活動を始める。代表作は「心霊探偵八雲シリーズ(文芸社)」、同じく文芸社の雑誌「B-Quest」では表紙を手がけている。音楽と高円寺を愛し、現在は料理に夢中。
→ウェブサイト「残像アパートメント」

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