「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」

第四回「アニメは一人で作るもの?それとも皆で作るもの?」

皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。 糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。

最近、アニメーションを少人数で作る作家さんが増えてきています。 アニメーション制作のデジタル化が進んだのが主な理由なのですが、これはこれでおもしろい事ですよね。

イラスト

アニメは少人数で作るのと、大人数で作るのとでは用意するべき資料や制作の仕方も異なるので、ボクとしては両方興味深いです。

さて、話は変わりますがボクは日常に隠れている些細なことを研究が好きです。なので時間さえあれば、ず~っと研究しています。

普通に世の中を見ていると面白いもので、常に何かが動いています。 そしてその動きに同じものはないんですよ、これが。

風に吹かれて動いている物もあれば、虫や動物がいたり、壁の向こうの見えないところでも、人が生活していたりします。 人もそれぞれ歩くスピードや歩き方も違うし、見ていると不思議な気分になります。

そういう普段感じる気持ちを作品に取り入れるだけで、絵や物語にも「ぐんっ」とリアリティもでるし、共感を呼ぶような気がするんですよね。

それにそういうことを繰り返すことで、人の個性や特徴を捕らえやすくなるように思います。

さて、今回は第一回のときに企画書を提出する際にあったほうが良い6項目の中から、「2.スタッフ編成、プロフィール、制作体制」について説明したいと思います。

まずスタッフ編成に関してですが、わかりやすく言うと「誰が何をするのか」を決めるということですね。 初めて企画の話を聞いた人でもわかるように、説明する方が良いと思います。

プロフィールは、自分とスタッフ全員の分を用意しましょう。 もちろん一人で作るのなら、自分のことを書けばよいと思います。

自分のプロフィールを書くのが苦手な人は、友人に何人か自分のプロフィールを書いてもらって、その中でよい部分を組み合わせて使用するということをしている方も多いようです。

プロフィールが終わると、制作体制について考えなければいけないのですが、これは要するに、

「何処で、どんな風に作るのか?」

を書けばよいと思います。

とかですね。自分なりに自由に書けばよいと思います。

ここで、最初の話とつなげますが、普段から色々なものを見る癖をつけていれば、企画書を書くときにも役立ちます。 スタッフの説明をするにしても、制作体制を書くにしても、特徴をうまく書けば書くほど簡潔に魅力的に書けるのです。

初めて見る人に対して、共感してもらったり馴染んでもらうのって、そういう工夫から生まれるとボクは思います。

企画書

ちなみに、ボクは企画書を書くときは、目立つようにいろんな細工をします。 枠をこだわったり、よく見ると気付くように何か仕掛けたり。。 そういうのを考えるのが面白いし、見ていただく人を飽きさせないというのも大事だと思います。

今回は、この辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。 お目に触れた方にとって、少しでも参考になっていれば、幸いです。

それでは皆様、またお会いしましょう。

いとそ けんじ

糸曽 賢志(いとそ けんじ)
糸曽 賢志
1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。 20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。 大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。 現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。 2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に 取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。 文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
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クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)


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