連載第四十三回「ことなかれヒーロー・じんじゃーまん」
皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。
今年ももう終わりいですねー。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
最近のボクの近況はといえば、次回作の準備やテレビシリーズアニメ『じんじゃーまん』の宣伝活動に追われておりました。
この『じんじゃーまん』は全12話のシリーズアニメで、2009年1月から放映開始です。
放映情報は以下の通り。
- tvk 毎週金曜 00時10分~ 1月 9日スタート
- テレ玉 毎週水曜 19時55分~ 1月 7日スタート
- チバテレ 毎週火曜 21時55分~ 1月 6日スタート
- 三重テレ 毎週月曜 23時15分~ 1月26日スタート
- KBS京都 毎週月曜 18時55分~ 1月 5日スタート
- サンテレビ 毎週土曜 18時55分~ 1月 3日スタート
- ひかりTV(VOD配信サービス) 1月6日配信スタート
- ギガミランカ(携帯配信サービス) 1月配信スタート
作品内容は冷蔵庫の野菜室を舞台に、ヘタレなしょうがヒーロー『じんじゃーまん』と、とびきり目立たない存在の「脇役野菜」たちの生活を描くショートストーリー。
同じ野菜でも、「大根」「人参」「さつま芋」といった、食材のメインになることができる「主役根野菜」とは違い、ニンニク、わさび、赤トウガラシ、黒コショウといった薬味的な存在価値しかない彼らは、いつもひがんでいました。
そんな、彼らのひがみ精神をもとに「いじめ」「格差社会」といった現代における問題も野菜に置き換えつつ物語は展開します。
くすっと笑いながら、野菜それぞれにも立居地や主張があるんだってことを少しでも伝われば良いなって思っております。
この『じんじゃーまん』の制作経緯を話すと……ある日、普段からお世話になっているAMGの校長である野口さんに「Flashアニメを作りません?」って誘われたのがきっかけです。
ただその時は、『じんじゃーまん』単体でTV放映ということは決まっておりませんでした。
実はもともとこのアニメは『幼獣マメシバ』という来年放映予定の連続ドラマ内で、主役がよく鑑賞しているTVアニメということで劇中に登場するために制作する話だったのです。
それが、そのアニメの出来を見た関係者の方々から、スピンオフして『じんじゃーまん』単体でも放映しようよ!という話が持ち上がって、いつのまにやら放映が決まってしまったという経緯があります。
何とも運の良い企画ではありますが、これをきっかけに今後もテレビアニメを色々企画できればなって野心を抱いております。
サンプルにムービーも公開されていますので、是非ご覧になってみて下さいね!
さてさて、折角なので制作の裏話的なこともどんどん書いていこうと思うのですが、今回の制作の際、一つ新しい試みを行いました。
それは「インターン制度の導入」です。
専門学校さんと繋がりがあるなら、思い切って学生さんに現場に参加してもらい、技術を覚えてもらっちゃおう!という狙いで野口校長と話合い実施。
具体的には、アニメーション学科から技術者数名と声優学科から出演者を募り現場に入ってもらうことになりました。
でも声優学科からの希望者は多くなりすぎたので、オーディションを行うことに……。
次回のコラムでは、このオーディションの模様やインターンの方が何を担当したかを書いていこうと思っております。
それにしても、学生のうちから現場を学べる制度を考えている学校はあるにしても、それを踏まえて作品企画&出資している学校ってのは珍しい気がします。
個人的には経験してこそ学べることがあるという、野口校長の考えには共感しますし、良い学校だなって思っています。
さてさて、色々書かせていただきましたが、今回お話しはこの辺でおしまい。
次回は『じんじゃーまん』声優オーディションや、現場でのメイキング話をしていこうと思います。
それでは、この辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。
お目に触れた方にとって、何かが少しでも伝わっていれば、幸いです。
では皆様、またお会いしましょう。
いとそ けんじ
⇒「ことなかれヒーロー じんじゃーまん」公式ウェブサイト(http://www.amgakuin.co.jp/contents/gingerman/)
- 糸曽 賢志(いとそ けんじ)
- 1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。
20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。
大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。
現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。
2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に
取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。
文化庁新進芸術家国内研修員にも認定され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008で北海道知事賞、第7回東京アニメアワード企業賞を受賞するなど、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
⇒加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
⇒クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
⇒糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)