ホッタラケに出来ない!Production I.Gが挑むCGアニメーションの新境地
■とにかく日本でフルCGアニメーションがやりたかった
――『ホッタラケの島』にはどのぐらいの年月がかかったんですか。
小松 企画からっていう意味では5年ぐらいでしょうか。その中で二転三転あって。僕自身は1年半前くらいから参加したんですが、ものすごくたくさんのパワーが集まって出来た映画なので、是非皆さんにも見ていただきたいなと思います。
――長い制作期間中、どうやってモチベーションを維持したのでしょうか。
小松 僕は元々『ホッタラケの島』がやりたくてI.Gに入ったんですね。とにかく日本でフルCGアニメーションがやりたかったんです。日本のアニメは素晴らしいんだから、それを3Dで出来ないはずがないって思っていて。
それが原動力になっています。もちろん、休みの時は休んで仕事の時は仕事して、メリハリ付けるのも大事だと思います。
石川 悩んだ方がいいと思うんですよ。悩んで行動を起こすことですね。疲れないっていうのも大事です。疲れない根底には面白さや喜びがあるので、そこを失ってほしくないですね。
子供の頃はみんな天才なのに、大人になるとみんな疲れて削れちゃって、普通の人になっちゃうんです。押井守とかは子供のまま大人になっていて、その感覚を映像に出来るんですね。
欠点をなくそうとがんばるより、長所を伸ばす方が疲れない。
小松 長所を伸ばすのは楽しいですよね。楽しいから疲れないのかなあと思います。
――小松さんが影響を受けたクリエイターや作品はなんですか。
- ミシェル・ゴンドリー
- フランスの映像作家でビョークなど数多くの有名アーティストのPVや、企業のCMを手掛けている。
- クリス・カニンガム
- イギリスの映像作家でPV監督として活躍するほか、自身もVJとして活動している。
- PSYOP
- NYを拠点とする映像プロダクション。コカコーラのCM等ユニークな作品作風で、活躍は多岐にわたる。
小松 初めてCGを意識したのは中学生の時に見た『FinalFantasyVII』のムービーでした。あとは専門学校に入ってすぐにミシェル・ゴンドリーやクリス・カニンガム、PSYOPなどの作品に脳天をぶち抜かれてしまって、当時はゲーム屋さんになりたいと思っていたのですが、どうしても映像が作りたくなって。
良く考えたらFFVIIのもムービーだから映像じゃんってことで今に至ります。僕がI.Gで働いてるのも、やはりすばらしい作品に関わりたいからです。
――I.G作品の高いクオリティはどのように保たれているのしょうか。
石川 今は作品よりもパチンコやゲームの素材作りの方がお金になるんですが、そこで止まるか走るかが分岐点だと思います。技術があれば、空いた時間に素材の仕事をすることも出来るんですね。この業界は才能と技術がある人間に仕事が集中しますから、脳天をぶち抜くようなスタッフの近くでやるのが大事だと思います。
I.Gが走っていると、そこにしがみ付こうという人間が出てくるんですね。するとそこにまたしがみ付いて。みんながトップランナーなわけじゃなくて、トップランナーの脇にいる人間がちゃんとバトンをつないでいくんです。それが秘訣なのかな。
小松 どういうものを作りたいのかが分からないとものは作れないと思うんです。例えば今回の遥なら、モデラーが遥は立体ではこうあるべきだと何回もデザイナーと話をして、物語とキャラクターから、こうでなければいけないというところに落ち着かせたんですね。
たくさんの人のいろんな意見を勝ち抜いたものが、クオリティの高いものになると思うんです。だからやっぱり、仕事をする中で自分に足りないことや知らなかった視点を学ぶ、日々現場で勉強する感覚が必要だと思います。
――ありがとうございました。
学生の質疑応答等もはさんで盛り上がったイベントの終了後、プロダクション I.G会社広報の郡司幹雄さんから『ホッタラケの島』について熱いエピソードが披露されました。
郡司 実は皆さんに最後のどうしてもお話したいエピソードがあってお時間もらいました。
昨日、ゼロ号試写の後に打ち上げがあって、各社の社長やクリエイティブディレクターの方にあいさつをいただいたんです。
それが終わった後に、映画やアニメーションに全く興味がなさそうな、お皿を下げている年配の女性が、「皆さんの話を聞いてたらこの映画がすごい見たくなりました。」って言ってくれたんですよ。たぶん皆さんの熱気に打たれたんでしょうね。
そんなことがあるくらい、謎の力が結集している映画ですので、是非見ていただきたいと、これは心からのお願いです。よろしくお願いします。
(2009年8月1日、アミューズメントメディア総合学院にて収録)
司会:野口周三(AMG校長) 遠藤真宏(StudioMeets代表)
構成:矢野ちえみ 平岩真輔
『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』全国の映画館にて公開中!
子供の頃、大切にしていた宝物は、いま、どこにありますか?――大切にしていた「熊のぬいぐるみ」、「プラモデル」、何回も読み返した「絵本」、公園で拾った「光る石」。そんな忘れ去られた宝物を異次元の生き物たちが集めて作った「ホッタラケの島」。その不思議な世界に迷いこんだ女子高校生・遥は宝物を取り戻してもとの世界に帰ることができるのか!?
製作:フジテレビジョン/プロダクション I.G/電通/ポニーキャニオン
制作:プロダクション I.G
制作協力:ポリゴン・ピクチュアズ
配給:東宝
⇒『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡』公式サイト
URL:http://www.hottarake.jp/



