YoroZooオリジナルCFコンテスト・サントリー宣伝部インタビュー

YoroZooオリジナルCFコンテスト・サントリー宣伝部インタビュー

なぜCFコンテストなのか?

――今回のYoroZooオリジナルCFコンテストでは、一般ユーザーから広く映像作品を募集していますが、どういった経緯でこのようなコンテストを開催することになったのですか?

CFコンテスト

当然のことですが、サントリーではテレビCMや雑誌広告など、既存のメディア広告に力をいれてきました。しかし、携帯電話やHDDレコーダーの普及によって、広告に触れるスタイルそのものが変化しているという状況があります。そういった中で、広告を担当する人間として、これまでと同じことだけをやっていてはダメだと思い、何か新しいことができないかと考えました。

――確かに、インターネット広告ひとつとってもこの数年で様々なアイデアが生まれています。

先日、NHKのドキュメンタリー番組ででGoogleが大きく取り上げられたのですが、そうすると会社の中でも「Googleでの広告にはちゃんと対応できているのか」という声が上がります。私は広告担当の部署で、97年ごろから本格的にインターネットなどに取り組んできましたが、新しい技術やメディアへの対応はつねに求められています。ただ、状況はすぐに変化してしまうので、フットワークが軽くなければ新しいことはできません。

――私もクリエイターとして映像作品の制作に関わっていますが、やはり昔ながらのやり方では制約が多すぎて、世の中のスピードに対応できないことがあるのを感じています。

GoogleやYahoo!のような検索サイトでの広告もやりましたが、ただサントリーのサイトにユーザーを誘導して、その数を競っていても面白くありません。なにかできることはないかと模索していたところ、一般のユーザーが作ったFlashアニメーションが盛り上がっているのを見て、こういったもので面白いことはできないかと思ったのです。

野口プロデューサー

――去年は蛙男商会の「THE FROGMAN SHOW」がテレビ放送されるなど、Flashアニメーションがコンテンツの世界で大きな進歩を見せました。番組をプロデュースした株式会社DLEと関わっていますが、現在放送中の「ファイテンション☆デパート」など、Flashでテレビ番組としても遜色ないコンテンツを作ることに成功してます。

そうした中で、インデックスキャスティングさんからYoroZooで何かやりませんかというお話をいただきました。YouTUBEやPodcastの普及で、一般の人が作った映像や楽曲を配信することがこれまで以上に簡単になったとはいえ、ゼロからコンテンツを作ることは少しハードルが高い。YoroZooなら、登録されているアーティストの作品など豊富な音楽コンテンツを利用することが可能で、それにサントリーのもつブランドを組み合わせることで、既存のCM戦略とはまったく異なる新しいことができると考え、今回のコンテストに至りました。

――コンテストでは、「ペプシコーラ」「C.C.レモン」「DAKARA」「マウンテンデュー」というサントリーのソフトドリンクを題材にした1分以内のCM映像を募集しています。サントリーが作るCMとは逆に、お客さんが商品に持っているイメージを映像として見せられることになる訳ですよね。これはとても面白い試みだと思うのですが、サントリーとしては不安はありませんでしたか?

「のまネコ」騒動とか「ブログ炎上」とかいう話を聞くと、いろいろなリスクがあるとは思いますが、それを恐れるばかりでは、面白いことはできません。お客様が商品にもつイメージもいろいろあると思うので、実際のところどんな作品が集まるのかは、私達もまったく予想がつきません。今回、YoroZooさんにCMに使える素材としていくつか音楽を提供していただきましたが、それがお客様が表現したいイメージに合っているかも判断できません。逆に、わからないからこそ、私達がこれまで見たことのないようなものが出てくるのではないかと期待しています。

――まず、やってみようということですね。様々な作品が世に出る機会が増えれば、その中から新しい可能性を持ったものが出てくる。インターネットやデジタルツールの普及で、次世代のクリエイターが生まれる土壌は大きく広がったと思います。

泉田さん

賞金も出しますし(笑)、テーマと場所を用意することで、沢山の人に参加していただければ嬉しく思います。たとえばマンガの世界なら手塚賞や赤塚賞みたいな新人賞があって、そこからメジャーで活躍するようなクリエイターが生まれていますよね。今回のコンテストもそういった才能を発掘することができるような場所になってくれればと期待しています。まだ、手塚賞のように続けられるかまでは解らないですが……。

――そうですね。実は私(野口)も赤塚賞出身でマンガを描いていました。同じ年の手塚賞を受賞した「スラムダンク」の井上雄彦先生のところでアシスタントをしていた時期もあります。

そうなんですか!井上雄彦さんは最近は筆でマンガを描いたりしていますよね。私(泉田)は、手塚賞でいうと第7回の諸星大二郎さんとか、そのあたりからずっとマンガ好きで……。本当にそういう面白いものを作ることができれば一番です。だから皆さんにはぜひコンテストに参加していただきたいと思います。

(2007年1月22日収録)
インタビュー:野口周三
構成:平岩真輔

YoroZooオリジナルCFコンテスト

ウェブサイト「YoroZoo」に、あなたの作ったオリジナルコマーシャル映像をアップロード!サントリーの人気ドリンク「ペプシコーラ」「C.C.レモン」「DAKARA」「マウンテンデュー」を題材に、あなただけのアイデアを表現してください!!審査員はテレビで誰もが見たことのある作品を手がける人気CMクリエイター4人。グランプリには賞金30万円が進呈されます。詳しくは応募要項をご覧ください。
→YoroZooオリジナルCFコンテスト

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